一人暮らし大学生のつぶやき

とある大学生が適当なことを書いてるだけのブログです笑

微分方程式で大学物理の基本を制す Part1

理系大学生がまず最初につまづくもの。
それは、こんなものではないでしょうか。

$$
m\frac{d^{2}x}{dx^{2}}=F
$$

これ、高校物理でお馴染みの運動方程式です!
高校物理ではシンプルに$ ma=F$と書いていたのに、大学物理ではいきなり2階微分の形が出てくるから、皆さんも混乱したことでしょう。
また、高校物理の力学の問題は、

力を図示する→運動方程式で加速度$a$を求める→等加速度運動の公式を使う

というのが定番の流れだったのに、大学物理では全く違う解き方をします。
どうするかというと、

運動方程式を直接変形する

というものです!
そして、この式変形こそが今回紹介する

微分方程式

です!
力学に限らず、大学物理では様々な場面で微分方程式が出てきます。
微分方程式の解法を知らないと期末試験等で全然問題が解けないなんてこともあるかもしれません。

「つまずいて転んでたら置いてかれんだ」

スキマスイッチが誇る名曲、全力少年の冒頭のフレーズですが、本当にこんなことになりかねません。
というわけで、今回は基本的な微分方程式の解法をいくつか紹介したいと思います!
高校物理でのやり方は一旦忘れてください。

「つみ上げたものぶっ壊して、身に着けたもの取っ払って」

ください!
それでは始めていきましょう!

 

 

1. 位置・速度・加速度の関係

まずは、位置$x$、速度$v$、加速度$a$の関係を見ていきましょう!
高校物理で出てきた平均の速度の式は次の通りですね!

$$
\bar{v}=\frac{x(t+h)-x(t)}{(t+h)-t}
$$

少しわかりにくいかもしれませんが、これは、$t$秒から$t+h$秒までの平均の速度となっています!
そして、高校物理では「瞬間の速度」というものが名前だけ出てきたかと思います!
もしくは「x-tグラフの接線の傾きと等しい」と紹介されていたかもしれません。
そんな瞬間の速度というものですが、これは、

平均の速度における時間の差が非常に短くなったもの

というのが定義です!
$t$秒と$t+h$秒の時間差は$h$秒ですので、こんな風に表すことができます!

$$
v=\lim_{h\to0}\frac{x(t+h)-x(t)}{(t+h)-t}
$$

時間差$h$を0に近づけた極限を取ればいいということですね!
そして、この右辺の式こそ、微分の定義の式となるわけです!
そのため、一般的に速度は

$$
v=\frac{dx}{dt}
$$

と表せます!
高校物理で「x-tグラフの接線の傾き」と表現していたのは、瞬間の速度$v$が位置$x$の微分で表せるからですね!
微分の図形的な意味は「接線の傾き」ですから!

 

速度と加速度の関係も全く同じように書くことができるので、

$$
a=\frac{dv}{dt}
$$

と表せます!
すなわち、位置と加速度の関係は、

$$
a=\frac{d^{2}x}{dx^{2}}
$$

となります!

 

これらのことから、

速度$v$は位置$x$の1階微分
加速度$a$は位置$x$の2階微分

と考えることができますね!
これで、運動方程式$ma=F$を書き換えると、

$$
m\frac{d^{2}x}{dx^{2}}=F
$$

ということがわかるでしょう!

 

2. 自由落下(2階微分)=(定数)型

それでは、具体的に運動方程式を解いていきましょう!
まずは最も簡単な自由落下の式から!
自由落下の運動方程式は次の通りです!

$$
m\frac{d^{2}x}{dx^{2}}=-mg
$$

力が$-mg$となっていることに違和感があるかもしれませんが、これは鉛直上向きを「+」としているためです!
重力は鉛直下向きなので、「-」ですね!
この式を解いていくのですが、まずは係数mが邪魔なので両辺mで割ってあげましょう!
基本的に運動方程式を解くときは、最初に両辺をmで割ります!

$$
\frac{d^{2}x}{dx^{2}}=-g
$$

こちらの形は、

(2階微分)=(定数)の微分方程式

となっていますね!
この形は、加速度$a$→速度$v$→位置$x$と順番に求めていきます!

 

加速度$a$→速度$v$

というわけで最初は加速度$a$から速度$v$を求めます!
すなわち、

$$
\frac{dv}{dt}=-g
$$

とします!
この方程式をどうするかというと、まず両辺に$dt$をかけます。

$$
dv=-gdt
$$

微分の記号を分数として計算するのは定義上は良くないのですが、形式的には問題ないのでこのように考えます。
次に両辺に積分記号$\int$をつけ、それぞれで不定積分を行います。

$$
\begin{align}
\int{dv} &=-g\int{dt}\\
v(t) &=-gt+C
\end{align}
$$

となりますね!
$\int{dv}$を$\int{1・dv}$とみれば、$\int{dv}=v$となることがわかるでしょう!

 

ここで問題となるのは、積分定数Cをどう扱うかです。
そこで重要になるのが、初期条件というものです。
今回は速度に関する式なので、初めの状態の速度を考えます。
自由落下では、初速度は0、すなわち$v(0)=0$なので、これを代入して、

$$
\begin{align}
v(0) &=-g・0+C=0\\
C &=0
\end{align}
$$

となります!
以上より、

$$
v(t)=-gt
$$

となります!
これは、まさに高校物理で出てきた自由落下の速度に関する式ですね!

 

速度$v$→位置$x$

次に、速度$v$から位置$x$を求めましょう!
$v=\frac{dx}{dt}$とすれば、

$$
\frac{dx}{dt}=-gt
$$

となりますね!
これは、(1階微分)=(定数)×(0階微分)という形ですが、この形は変数分離という方法で解きます!
「変数分離」という言葉が出てきてまた別のやり方をするのかと思いがちですが、実は先程と全く同じです!
両辺に$dt$をかけて、

$$
dx=-gtdt
$$

この状態は左辺が$x$のみ、右辺が$t$のみの関数となっていますね!
これがいわゆる、変数分離された形です!
変数分離とは、左辺と右辺で完全に変数を分けることという意味ですね!
先程の加速度から速度を求めるときも、一応左辺が$x$のみ右辺が$t$のみになっていたと思います!
ここまで来たらあとは先程と同じです!
両辺積分して、

$$
\begin{align}
\int{dx} &=-g\int{tdt}\\
x(t) &=-\frac{1}{2}gt^2+C
\end{align}
$$

となります!
初期条件として、初期位置0(手を離した位置をx=0)とすると、$C=0$となり、

$$
x(t)=-\frac{1}{2}gt^2
$$

となりますね!

 

積分を用いた解法

上記の方法だと、毎回積分定数$C$が出てくるため、記述するのが大変ですね。
そこで、僕がおすすめしたいのは、積分を用いた解法です!
どうするかというと、

積分範囲を(初期値)→($t$秒後)にする

というものです!
具体的に先程の式で行うと、

$$
\begin{align}
\int_{v(0)}^{v(t)}dv &=-g\int_{0}^{t}dt\\
v(t)-v(0) &=-g(t-0)\\
\end{align}
$$
$v(0)=0$より、
$$
v(t)=-gt
$$

といった感じです!
こちらの方がすっきりと書けるのでおすすめです!

 

今回のまとめ

今回は位置・速度・加速度の関係、そして自由落下の微分方程式を用いた解法について解説しました!
このタイプの流れは、

変数分離→両辺を積分→初期条件を考える

となります!
次回は、鉛直投げ上げ、斜面の運動、そして空気抵抗がある場合の解法についてお伝えします!
それではまた、次の記事で!